海は生命を創り、生命は大地に海を創っている

こんにちは。NPO法人見沼の里の車田です。

皆さんは、そもそも植物ってなぜあんな形で地球上に存在しているんだろう、と考えたことはありますか?

今回は、私が聞いて一番腑に落ちたというか、面白かったお話しをご紹介したいと思います。





地球は海と陸に分かれています。

大昔、まだ全ての生物が海の中で暮らしていたころ、陸地である外の世界は、生物が住むことのできない、死の世界でした。

種を残そうという強い本能のためか、はたまた単なる好奇心なのか、やがて生物は陸地に適応するという挑戦を始めました。

そこでとった行動が「表土を海の環境に近づけよう」です。

表土とは、地表面から深さ20センチくらいまでを言います。

言い換えれば、地球は、非常に薄い表土という膜に覆われています。

この偉大な挑戦のために、全ての生物は使命を負いました。

その中心が植物で、使命は大きく3つ。

  1. 表土が流れないように支えること
  2. 水を浄化して保水すること
  3. 表土から余分な成分を吸い上げること



そこで植物は、密生して水の蒸発を防ぎ、表土に根を張り巡らせました。





そして、表土の中の窒素が過剰であれば吸い上げて葉を茂らせ、リンが過剰であればたくさんの花を咲かせ、カリウムが過剰であれば根を広げるようにしました。表土の成分が常に一定になるように。

ちなみに、虫にも使命があります。

このように表土のバランスを保つ役目を負った植物は、その分自身のバランスを崩します。そんな役割を全うした植物を食べるのが虫の役目です。




もちろん、移動できない植物だけでは、到底達成できることではありませんし、その環境を維持できるものではありません。動物たちの助けも必要です。

ここまで来ると、一つの仮説が生まれます。

お互いがこの使命の中支え合えるように、植物は動物のために、花や実や、種をつけている、としたら。


表土を海に近づけておくことが目的であり、花をつけるのも、実をつけるのも、その手段に過ぎない、としたら。

真実は分かりません。

でもそう考えると、理解できる現象がいくつもあります。

菜園をしていると、同じ野菜の中で、隣同士なのに一つは活き活きと育ち、一つは虫に喰われている光景をたびたび目にします。

これは、片方は表土を支え、片方は余分なモノを吸い上げる役目を負ったのではないでしょうか。

もしこの考えが正しければ、現在の農業は、とても大きな環境破壊で、いかに人間だけが真逆なことをやっているかが分かります。

耕すことで表土を破壊し、肥料を加えて表土のバランスを崩し、本来は水を創り出す(保水する)植物を、そのシステム自体を強引に歪めて、大量の水を消費して生産しているのですから。

現実に畑は、植物が密生しているわけではなく、単一栽培ですから、この肥料はたいてい、その場の植物だけで吸収できません。

そうなるとどうなるのかというと、地中の地下水に流れこみ汚し、最後に海に流れでます。

これは化学肥料であろうが、有機肥料であろうが変わりません。残念なことに、自然に優しいイメージの有機肥料ですが、きちんと発酵していない有機肥料のほうが化学肥料よりも水を汚します



あらゆる農法全て含めて、農業はあらゆる企業活動となんら変わることなく、環境を破壊する要因であることになってしまうのです。

このあらゆる生命が海を創っているというお話しに科学的根拠はありません。

しかし、科学的根拠が無ければ、それだけで間違っているということにはなりません

科学技術の発達で積み重ねられたこの社会には、科学では原因が特定できない問題がたくさん生まれました。

地球の環境や、生態系や、私たちの身体や心の変化や…

科学がこれまでの延長線上で発達していけば、これらの問題は本当に解決するでしょうか?

根本的なところから、認識をかえる必要があるのではという気がしてしまいます。


このような視点から新しい農法もたくさん生まれています。こちらはその一つ。




花はどうしてあんなにも美しい色をつけるのでしょうか。

虫や鳥や動物に見つけてもらって、種を運んでもらうためでしょうか。

意外と、色で認識している動物は少ないです。なのでそれだけでは説明がつきません。

植物は使命を達成するために、手段として花や実や種をつけるのではと書きました。

あんなにも美しいのは、色を認識する私たち人間へ向けて、人間のためにやっているのではないでしょうか。

数千粒の種を蒔く。

その中のたった一つが育てば、そのたった一つが、数千粒の種をつけるのです。

こんなことを目の当たりにすると、自然は、何度だって、いつからだって、再生を始めることができるんだと感じます。

これを読んでいる、今、この瞬間からでも。

人が立ち止まるように花は咲き。

”一緒にやろうよ”と囁いている。

そんな気がするのです。

いかがでしたでしょうか?

こんな考え方もあるよということで、ご紹介させていただきました。

この記事が、皆さんの視点をほんのちょっぴりより豊かにできれば幸いです。

NPO法人見沼の里 車田喜由

(注)本コラムは筆者本人の個人的見解に基づいて書かれたものであり、
当NPO法人の見解、意見等を示すものではありません。

海は生命を創り、生命は大地に海を創っている” に対して2件のコメントがあります。

  1. shoe より:

    車田喜由さま、素晴らしい、共感できる投稿有り難く読ませていただきました。
    一人ひとりが尊重し合いそれぞれの使命を果たすこと。決して奢ることのないようにしたいものです。
    自然のごくごく一部を構成しているに過ぎないのが人間。であるからこそ「全体のつながりを決して忘れてはなりません。生物だけを考えることはできません。自然環境だけを独立した存在として考えることもできません。両者は互いに作用しあって、生態学的な複合体、すなわち生態系を形作っているのです。」(レイチェルカーソン)という言葉が心に響きます。

    1. kiyoshi kurumada より:

      おおー!ありがとうございます!書いたかいがありました(w

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